先日、アイドルグループSTU48で選抜常連メンバー含む4名が同じ日に活動辞退を発表し話題となりました。
アイドルグループからの卒業発表は、グループからのファン離れを防ぐため「1人ずつ段階的にされる」のが一般的です。
そもそも、アイドル「活動辞退」と「卒業」に違いはあるのでしょうか?
目次
アイドル「活動辞退」と「卒業」の違い
アイドルや芸能人は、運営と業務委託契約していることが一般的であり「各メンバーが個人事業者」です。
*収入がない最初は固定給で「前借り」の場合もあるようです
個人事業者と運営の間で業務委託契約を結んでおり、契約を円満に終了する場合に「卒業」が使われます。
卒業という言葉本来の意味は『その学校の全課程を学び終えること』であり、それをアイドルの卒業に置き換えるなら「グループに所属しすべてをやり切った」または「アイドルとして色々な仕事を経験した中で学び次のステップへ進む」などポジティブな印象です。
一方で「活動辞退」は、運営と個人事業者の間で何かしらの「トラブルがあった」ことが予想されます。
何かしらの事情があり「個人事業者が自ら辞める時」に活動辞退が用いられるようです。何かしらの事情の中には「健康面の問題」も含まれます。
また、卒業や活動辞退とは別に「脱退」という表現が使われることがあります。
欅坂46から「脱退する」と発表された平手友梨奈さんが話題になりました。
「脱退」の言葉の意味は『属してる組織から抜けること』の意味です。卒業や活動辞退とはまた異なり「個人の強い意志」が反映されてる印象です。
*グループから離れるメンバーが『脱退にして下さい』と選ぶことがあるようです
基本的に「活動辞退」したメンバーは「卒業公演」や「卒業コンサート」も開催されません。
なぜ、アイドル活動辞退の経緯を運営は説明しないのか?
STU48のメンバー4名の活動辞退が発表されたとき、ファンの中で運営に『活動辞退に及ぶ原因や経緯を説明しろ!』という意見がみられました。
しかしながら、運営にメンバーの活動辞退理由や経緯を説明する義務はありません。というか「説明できない」といえます。
なぜなら、先ほど述べたようにメンバーは「個人事業者」であり、すべての責任は自分で負わなければならないからです。
運営側が活動辞退の原因や経緯説明してしまうと「運営が雇用主である」と認めることになります。それは業務委託契約の範疇ではありません。
*雇用主と従業員の関係になると労働基準法が適用され「芸能活動には不向き」になります
グループ所属メンバーが「法に触れるような事件を起こした場合」は、運営代表者が個人としてコメントすることはあるようです。
また、芸能人はイメージが重要なので、活動辞退理由は「メンバーの将来を考えると詳しく経緯説明しないほうが良い」ともいえます。
アイドル運営のお客様は「メンバーのファン」ではない
アイドル運営がファンに対して活動辞退の原因や経緯を説明しない理由として「運営のお客様はファンではない」ということがあります。
芸能プロダクションのビジネスは「B to B(企業から企業)」で、ファンは所属タレントに帰属し「芸能プロダクションの顧客ではない」からです。
グループ活動以外の仕事は「メンバーの顧客吸引力に期待」し企業が運営に仕事を依頼します。なので、ファンが運営に色々と意見しても何も変わらないことが多いです。
一方で、公演やコンサートは「顧客がファン」となりやすく、ファンの意見が反映される印象です。
AKB48グループ人気凋落の原因は、運営の「B to B」に比重をおきすぎて消費者(ファン)をないがしろにし過ぎたことであると思います。
*そのことに気づいたグループは、少しずつ改善してる印象です
アイドル運営は「グループメンバーを教育管理すべき」なのか?
STU48メンバー4名が活動辞退したとき『運営が教育管理してるのか?』という意見がみられました。
しかしながら、運営はメンバーと業務委託契約を交わしてるだけで「アイドル養成所」ではありません。
アイドルは業務委託契約による個人事業者
業務委託契約とは、業務を外部の企業や個人に委託する際に行う契約です。これを受けた側(メンバー)は、労働力ではなく「仕事の成果」を提供します。
会社員や派遣社員とは異なり、会社(運営や芸能プロダクション)と雇用関係を結んでいるわけではありません。
また、各メンバーは個人事業者なので自分の行動による結果は「自分で対応」しなければなりません。スキャンダルなどの謝罪をブログやSNSを用いてメンバー個人で行うのはこのためです。
STU48は、新メンバーとして「アクターズスクール内からメンバーを募集する」と発表しており、既存メンバーの「プロ意識の底上げ」を狙っていると思われます。
まとめ
今回は、アイドルの「卒業と活動辞退」について調べてみました。
活動辞退の原因や経緯について運営が説明しないのは、メンバーと業務委託契約をしており「メンバーは個人事業者」であるため
運営はメンバーがグループから離れる経緯を説明できないが「卒業や活動辞退」などの言葉を用いて、やんわりとファンに運営の意向を伝えている。
運営がメンバーを教育管理しないのも「メンバーが個人事業者」であるため
以上のように理解できました。
しかしながら個人的には、業務委託契約を結ぶ際に「メンバーにアイドルとしてのプロ意識や活動内容」「仕事に対する取り組み方」などをしっかり説明すべきではないかと思います(説明していてのスキャンダルなら運営に同情します)
アイドルとしての「プロ意識」とは、SNSの裏アカウントがあるとか恋愛禁止ではない
仕事に対するプロ意識はもちろんですが「デートの様子などを撮られないこと」「裏アカウントなどの内容が流出しないこと」がアイドルを仕事とする人の最低限のプロ意識であり「企業やファンに対するマナー」ではないでしょうか。