元AKB48岡田奈々ファーストアルバム「アシンメトリー」評価と考察
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元AKB48岡田奈々のファーストアルバム「アシンメトリー」が2023年、11月7日に発売された。

「ネット弁慶の皆さまへ」というタイトルや歌詞の内容が話題になったアルバムである。

とはいえ、歌詞や題名によるいわゆる「炎上商法」ではなく、楽曲がしっかり完成されておりまた岡田奈々の歌唱力の高さを存分に感じることができるアルバムだ。

岡田奈々曰く『SNSに書けないことを歌にしてゆきます』ということなので、個人的な評価とアイドルを取り巻く事柄など考察してみたいと思う。

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元AKB岡田奈々ファーストアルバム「アシンメトリー」総括

最初に述べておきたいのだが、わたしは岡田奈々の握手会やミーグリ、各イベントのようなものに参加したことはない。『なぁちゃん好き好き』というよりも「音楽が好き」なので、いわゆるヲタクの立場で彼女を評価していないことを了承願いたい。

元AKB岡田奈々のファーストアルバム「アシンメトリー」は、アップテンポなロックナンバーから、スローテンポなバラード、ミドルテンポなオルタナティブロックまで色々なジャンルの曲調を楽しむことができる。

また、岡田奈々が全曲作詞しており、『アイドル時代に感じたこと、経験したこと』を赤裸々に伝えている。

岡田奈々は歌唱力の高さで有名だが、最も魅力的なのは「魂で唄うスタイル」ではないだろうか。

以前、何かの番組でミュージシャンが語っていた『歌唱力を抜きにして、人の心を動かせる歌声がある』という言葉があてはまる歌い手の1人である。

ファーストアルバムということで、まだまだ作詞においては「荒削り」に感じる点もあるが、元気がでない・テンションが上がらない時に聞くと「元気になれる」アルバムだ。

そんな「熱い魂、燃える闘魂、傷ついた心象」などは、作詞の面でも才能を感じさせる。

アイドルファンのみならず、『ドキっとさせられる』詞を各楽曲の感想を述べながら解説したい。

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元AKB岡田奈々ファーストアルバム各楽曲の感想・評価

先ほども述べたように岡田奈々ファーストアルバム「アシンメトリー」は、アップテンポのロックや、ミディアムテンポのポップスやオルタナティブロック、スローテンポなバラードまで幅広く楽しめる作品である。

1曲をリピートして聞くというよりも、すべての曲や流れで1つの作品(というより岡田奈々自身)が完成されており、聞き終えたあと「スッと心が軽くなる」感覚がある。

それでは、各楽曲について感想・評価を述べてみよう。レッツスターティン。

1.裏切りの優等生

岡田奈々ファーストアルバム「アシンメトリー」のリード曲である「裏切りの優等生」

アップテンポのロックナンバー

アイドル時代にスキャンダルが発覚した際の「世間の手のひら返し」や「優等生のレッテルを貼られる居心地の悪さ」「本当の自分とアイドルとしての葛藤」が題材の作品

嘘つき 何があっても好きでいると言ったのに

あんたの望む良い子ちゃんでいてくれたらの間違いじゃん

「裏切りの優等生」より引用

以前からたまに見かける、アイドルファンの『一生応援する!』という言葉に軽薄さを感じていた。というか、簡単に『一生応援する!』と言えてしまう人ほど信用できない気がするのは私だけだろうか。

一生どころか、3年後・1年後に自分の心が、「一時の熱狂」が、維持できるだろうか。また、応援される側の人も数年後に今と変わらない人間関係、容姿、心情、おかれた環境とは限らない…想像力が足りないのである。想像力は「優しさ」にも関係する。

それらを岡田奈々は『あんたの望む良い子ちゃんでいてくれたらの間違いじゃん』と鋭く指摘している。

また、当サイトでは度々述べているが、どのような状況になろうとも『裏切られた』と言ってしまう人は、最初から対象者を信じていないのである。

本当の意味での「信じる」というのは「良くも悪くも信じる」ことであり、自分にとって利がある部分だけを信じるのは都合が良すぎるのではないだろうか。

岡田奈々のスキャンダルについての詳しい考察は、こちらの記事をご覧ください

AKB48岡田奈々「熱愛報道から卒業発表」不器用なマジメさの終着点

2.Green Bird

ピアノ主体のスローバラードでありながら、サビではチカラ強さを表現

AKB48の後輩メンバーに向けて書いた曲だと岡田奈々本人が解説している。

3.「ありがとう、幸せになってね。」

こちらもピアノ主体のミディアムテンポの曲。

岡田奈々が以前交際していた女性との恋愛を題材に書かれた曲。

4.声を失った人魚姫

ピアノ主体でありながらサビへ向けて盛り上がっていくロックを感じる曲

岡田奈々が歌えなくなった経験をもとに書かれた曲

5.ネット弁慶の皆様へ

アップテンポのロック

岡田奈々がスキャンダルで炎上した経験から書かれた曲。

ネットで「誹謗中傷されたこと、傷ついた心情、対応など」について書かれている。初めて聞いたとき、聞きなれない歌詞であったので笑ってしまった。

彼女がつらい状況にあったのは理解できるが、「ネットでの誹謗中傷」については、別の記事で考察したいテーマである。

6.この世から僕だけが消えることが出来たら

ミディアムテンポのロック

叶わぬ恋の愛しさと苦しさを表現した個人的に好きな名曲。

この世から僕だけが消えることが出来たら

儚く愛しい想いも消える

美しいその影は寂しさを残すもの

偽りとわかっていても 今 愛してる

『この世から僕だけが消えることが出来たら』より引用

アイドルファンがメンバーに抱く「叶わぬ恋心」のようにも思える。

愛ゆえに傷つけてしまうならサヨナラを…

アイドルにガチ恋したらサヨナラを…

7.終焉のカウントダウン

アップテンポのロック

これほど「死」というキーワードが出てくる曲を聞いたことが無い。

もう少しオブラートに包んだ表現が望ましいような気もするが、当時の彼女に対する誹謗中傷は悲惨を極めていたこともあり、あえてストレートな表現を選んだのではないだろうか。

8.TAKOYAKI ROCK

アップテンポのロック

固定観念に縛られる(縛る)ことなく、やってみなくちゃわからない(作品で評価してくれ?)といった曲。

伝えたい対象が、「自身のファン」に向けてなのか、「固定観念で述べてくる人」なのか、「自身のパートナーとの誓い」なのか、よくわからず散らかっている印象を受ける。

もう少しターゲットを絞ったほうが、対象者の心に深く刺さるだろう。

9.生きる理由

ピアノ主体のミディアムテンポバラード

岡田奈々の歌唱力が映える名曲。オススメ。

彼女らしい「優しさ・素直さ」が表現されてるような気がする。

なんで優しくするの

なんで責めたりしないの

こんな私でも生きてて良いってこと?

自分を愛せなくて死ぬことばかり浮かんで

それでも信じてくれる

その期待に応えたい

『生きる理由』より引用

10.Mayday

ミディアムテンポのロックナンバー

スキャンダルが露出した後の心情が描かれているが、はっきり言って怖いっす。

かなり病んでいたことが理解できる。

11.サラン

スローバラード

愛犬にまつわる曲

12.望まれない朝

ピアノを主体としたミディアムテンポの曲

アイドルの体調不良が多く見られるようになった現代、この曲に共感できるメンバーは多いのではなかろうか。また、アイドルのみならず、日常に疲れた方にもオススメの曲。

疲れてる心が泣いてる

休みたくても休めなくて

立ち止まりたくても

赦されない気がして

(中略)

「生きてる それだけでいいから」なんて虚言の塊

『望まれない朝』より引用

アイドルファンによる『生きてる それだけでいいから』のようなコメントを見かけることがあるのだけれど、何か釈然としない薄い霧のかかった山中のような危うさを感じるのはわたしだけだろうか。

もちろん好意として伝えているのだろうけれど、当事者の心をないがしろにしてはいないだろうか。

岡田奈々の作詞には、受け手(ファンなど)によって軽率に発信されるメッセージが、演者(アイドルなど)にどのように伝わりどんな想いを抱くのかがリアルに描かれている場面がある。

『SNSでは書けない(演者が発信することが難しい)ことを書いていきます』というコンセプトは、アイドルという職能を経験した彼女にしかできないことだろう。

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まとめ

元AKB48岡田奈々のファーストアルバム「アシンメトリー」は、ロックを基調としながら色々なジャンルの楽曲が楽しめる作品である。

また、岡田奈々が書く詞は、自身の経験や痛みをリアルに伝える。彼女の情熱的な歌唱が「リアルな詞」をさらに昇華させている。

 

最後に、一点だけ残念に感じたのは、彼女の意向なのか、レーベルの方針なのかはわからないが「本人による詞の解説」である。

作詞の意図などを細かく解説してしまうのは、音楽を聴く人の楽しみを奪いかねない。

アートの面白さは、受け手の年齢・境遇や環境、知識や経験、または体調などにより感じ方が異なり、自由に解釈しても良いところではないだろうか。

ファン同士で『ああだこうだ』と考察し、他者の自分にはない考え方に気づくことは、自身の心の成長にも繋がるだろう。また、そのようなムーブが人気拡大の理由にもなろう。

セカンドアルバムが発表され、岡田奈々のこれからに期待する。

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