乃木坂46「Same numbers」MVの感想と考察
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今回は、乃木坂46の39枚目シングル「Same numbers」のMVが非常にアート性が高く素晴らしい内容なので考察や感想を述べたいと思います。

乃木坂46「Same numbers」のMVは『村上春樹作品の視点で見る』と新たな発見や、さらなる深みに気づけるのではないでしょうか。

*本考察や感想は個人の考えなので「皆さま自身の感想を大切に」しながら『そんな視点もあるのか』と思って頂けたら幸いです

 

村上春樹作品の視点で重要なポイント
  • 2〜3つの月
  • 実体と影
  • 井戸
  • 太陽

 

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乃木坂46「Same numbers」MV考察「2〜3個の月が示すもの」

乃木坂46「Same numbers」のMVでは、2〜3個の月が同時に空に浮かんでいる様子が描かれています。

2〜3個の月が同時に空に浮かんでいることなど「現実の世界」ではありません。なので、それが意味することは現実ではない世界、「過去」や「未来」、またはパラレルワールドなどを表しています。

また、センターの賀喜遥香さんとの関係性から、3つ目の月は「みつき」山下美月さんの存在とも感じることが出来ます。

さらに、MVの内容に対する示唆として「2〜3重な複雑な構造である」という暗示も読み取れます。

後述しますが、乃木坂46「Same numbers」のMVはかなり複雑な構造になっているように感じました。

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乃木坂46「Same numbers」MV考察「実体と影」

村上春樹作品における影とは…「主人公の内面、抑圧された感情や潜在意識、あるいは社会的な側面を象徴する存在」として描かれます

乃木坂46「Same numbers」のMVのコンセプトが「過去は変えられないけど、過去の自分を救うことはできる」という点であると一ノ瀬美空さんのブログで伝えられました。

乃木坂46「Same numbers」MVでの賀喜遥香さんの「影」とは

「Same numbers」MVでいう「影」とは、賀喜遥香さんの「過去」といえます。

MV中で仕様される「88:88:88」はエラーを示唆しており、「過去に囚われて進めない状況、過去を乗り越えれない状況、過去の心の傷、過去に損なわれたもの」などを表しているように感じます。

MV公開前に賀喜遥香さんのブログで、「心の暗い部分」として「心に棘のように刺さって抜けない言葉の存在」について書かれています。

乃木坂46「Same numbers」MVでの川﨑桜さんと一ノ瀬美空さんの「影」としての役割

乃木坂46「Same numbers」のMVで巧みな点は、賀喜遥香さんの影(過去)を、フロントメンバーの川﨑桜さんと一ノ瀬美空さんが演じているところです。

彼女達2人は、最初「焦げ茶色の衣装」を着用しています。焦げ茶色が示すことは「苦く暗い過去」ではないでしょうか。

さらに、川﨑桜さんと一ノ瀬美空さん自身の影(過去)を「空を漂う2人」の黒い衣装で表現しており、役割的に「2重の構造」となっています。

そして、賀喜遥香さんの影と川﨑桜さんと一ノ瀬美空さん主体としての影が示すことは、「誰にも辛い過去やできごとがある」ということではないかと感じました。

誰かの「影」を救うことにより、自分も救われる

あの子を助けたいと思うんじゃなくて、あの子を回復させることによって自分も回復したいと望むのよ

村上春樹作品の明言集より

MVでは、賀喜遥香さんが最終的に「自身の過去を救う形」で描かれていますが、川﨑桜さんと一ノ瀬美空さんを主体とした場合「先輩によって救われた後輩」とも見ることができます。フロントメンバーの2人を五期生にしている点を効果的に活かしています。

さらに、「先輩によって救われた後輩」は賀喜遥香さん自身でもあり(休養中に山下美月とお話した過去)、3つの月(山下美月)の演出も効果的です。

*ちなみに、夕焼けで賀喜遥香さんが涙を流すシーンでは、3つ目の月(山下美月)がいません

3つ目の月は「先輩の象徴」であり、遠藤さくらさんでいえば齋藤飛鳥さん、梅澤美波さんでいえば新内眞衣さん?のように、乃木坂46の伝統ともいえる「先輩による導きと癒し」を感じることができます。

乃木坂46ファンの方々で、「Same numbers」のMVを見ると涙が自然と流れるという感想をよくみかけました。それは、直感的に優しさに触れたからではないでしょうか。

アイドルにとっての「実体と影」

アイドルは「いつも笑顔で元気、ネガティブなことは言わない」のような一般的に好感を抱かれるイメージで活動しています。

本来ならば「自然な感情の発露ができる自分」が実体であるのに、それらが抑制され「影」となり人によっては「実体と影が逆転」してしまいます。

現代のアイドルシーンでは、SNSやインターネットの普及によりプライベートと仕事の境界線がほとんどなく、「自然な感情の発露ができる自分」として生活できる時間がどんどん少なくなっている印象を受けます。

「Same numbers」のMVから、アイドルとしての「実体と影」の苦悩も感じました。

 

次に、どのような流れで「過去の自分を救うのか?」という点をみていきます。

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乃木坂46「Same numbers」MV「井戸」がポイント

『乃木坂46、SamenumbersのMVに井戸なんかねえよ!』と思われるかもしれませんが、わたしはメンバー全員で踊っている天井が丸く抜けているステージは「井戸を示しているのではないか」と感じました。

なぜ、井戸が重要なの?

村上春樹作品における井戸が示すこと…「深い孤独」や「自己と向き合い内面を探究する場所」、あるいは「異次元への入り口、深層心理」といった象徴的な意味を持つことが多い

MVのなかでも、最初は賀喜遥香さんだけが「白い衣装、紫色の衣装」であり、周りのメンバーと調和が取れていないこと(孤独)が表現されています。

また、メンバーも青色と赤色の衣装に分断され、メンバー達もどこかイラついた印象で踊っており「グループが上手くまとまっていない様子」を感じることができます。

とくに、青色衣装のさくちゃん(遠藤さくらさん)の賀喜遥香さんに対する視線が冷たくて悲しくなります…(演技だからね)

グループが上手くまとまらず、孤独な内面と向き合うはるちゃん(賀喜遥香さん)やメンバーは救われるのでしょうか…

希望があるところには必ず試練があるものだから

村上春樹作品の明言集より

乃木坂46「Same numbers」MⅤ「希望の太陽」の暖かさ

自己と向き合い内面を探究しながらも、上手く調和することが出来ず孤独な「井戸」で踊るメンバー達…そこに、ひと筋の希望の太陽の光がさします。

村上春樹作品における太陽が示すこと…現実世界や内面の感情の「変化や再生、成長」

経験そのものがひとつの意味です。その経験の連鎖を通して主人公は変化します。それがいちばん重要なことです。彼が見つけたものにではなく、彼が見つけられなかったものにでもなく、彼がくぐり抜けてきた変化にこそ意味があるのです

村上春樹明言集より

孤独な色の賀喜遥香さんと青色と赤色に分断されバラバラになってしまったメンバー達が踊る「井戸」の上に太陽が登り、希望の暖かい光がさします。

その結果、メンバー全員が紫色の衣装に統一され、みんなが楽しそうに踊っています。良かったですね(微笑)

最終的に、「88:88:88」というエラーではなく、「00:00:08」と時間が上手く進む様子で物語は終わります。

まとめ

今回は、乃木坂46の「Same numbers」のMVについて、村上春樹作品視点で考察してみました。

村上春樹作品は、全世界で翻訳出版されているので、海外の方でも乃木坂46の「Same numbers」のMVをご覧になれば心に響くかもしれません。

色々と考察していると、現在の乃木坂46が奇跡的な存在であると感じます。

過去に心の傷を持つメンバー、先輩による導き・救い、自己の内面と向き合い再生を目指す姿勢、楽曲と詞の世界を増幅させるMV、メンバーを支える運営やスタッフの皆様、それを理解しようとするファン…

わたし達ファンは、月や太陽のように見守ることしか出来ません。願わくば、MVで描かれているような「ひと筋の希望の太陽の光」のような存在でありたいところです。

高く堅固な壁と卵があって、卵は壁にぶつかり割れる。そんな時に私は常に卵の側に立つ

村上春樹

 

誰かの心が救われることを願って

令和7年7月7日

 

*村上春樹さんの作品に興味を持たれた方に、最初の1冊として「海辺のカフカ」をオススメします

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