新型コロナウイルスの影響で、AKBや坂道系の各グループの握手会・イベントのほとんどが中止や延期になっています。
とくに握手会は「濃厚接触」の部類ではないでしょうか?
コロナウイルスワクチンが開発されるまで、握手会が開催されるのは絶望的です。
そこで、握手会の代替えイベントとしてメジャーになりつつあるのが「zoomを使用したオンラインイベント」です。
オンラインイベントも楽しいのですが、現場主義なファンの方々は握手券を返品したいよう…
握手券の返品が増えて、アイドルグループやメンバーは大丈夫なのでしょうか?
そんな不安を解消するため、握手会ビジネスについて調べてみました。
*注意 個人的な見解であり絶対的に正しいわけではありません
目次
AKBグループの握手会ビジネスモデルについて
わたしはSTU48をデビュー当時から応援しています。4thシングル「無謀な夢は覚めることがない」が発売されたあと、新型コロナウイルスにより握手会やイベントが延期・中止となりました。
4thシングルの握手会が終わらないうちに、5thシングル「思い出せる恋をしよう」が発売されると発表があり、個別握手会に代わりオンラインお話会が開催されることになりました。
4thシングルの握手会に代わる特典を色々と運営側が用意して提案されましたが、やはり現場主義のファン達は返品が多い印象…
その様子をTwitterで見ていて「STU48大丈夫なの?」と思いアイドルビジネスに詳しい方に色々と質問してみました。
【わたしの質問】
STU48の4thシングル握手会が未開催(売り上げ約33万枚)なのに、5thシングルの発売が決定し申し込みも終了しました(完売状況から推定売り上げ15万枚以下。再販で増える可能性あり)
この状況で4thシングルの返品が仮に15万枚以上あった場合、運営やメンバーはどうなるのでしょうか?
販売側のレーベルが負債を背負うのでしょうか?
握手会はレコード会社主催の販促イベントです。STUのメンバーは握手会イベントへの出演料がレコード会社の宣伝費の中から支払われます。もし握手会が中止あるいは他のイベントに差し替えになれば、メンバーのイベント出演料が減少し、レーベルが支出する宣伝費も減少し利益が増えることになります。 pic.twitter.com/l4PgtYTLJQ
— たーちん (@tarchin37) August 15, 2020
不思議ですね。
返品が多くなるとレーベルの利益が増えるようです。
逆にメンバーの収入が減ってしまい心配です…そこで次に、こんな質問をしてみました。
【わたしの質問】
だから、チェキ会などで最低限のギャラを確保しているのでしょうか?
>チェキ会などで最低限のギャラを確保
— たーちん (@tarchin37) August 15, 2020
では無いと思います。レコード会社の握手権封入はCDを”一枚でも多く売る”目的よりも、曲名未定、視聴なしで予約を行い実質”受注生産”の形を採ることで”不良在庫”を減らすことにあります。メンバーの目的はファンの”囲い込み”がイベント出演の目的となります。
レコード会社の目的は「受注生産の形をとり、不良在庫を減らすこと」
世間では「〇〇万枚売れた!勝利!」などと書かれているのを目にすることが多いですが、レコード会社の目的は多く売るのではなく、不良在庫を減らすことであるようです。
メンバーの目的は「ファンの囲い込み」
メンバーの握手会や各イベントへの出演の目的は、収入のためではないようです。
ファンの囲い込みとは?
握手会や各イベントを通じて、ファンとの絆を深めること。卒業後に多くのファンを持っていると有利になります。
ファンの数が増えると事務所契約の話も舞い込んでくるでしょう。
坂道系やNMBを除くAKBグループは、運営会社が存在しますが派遣社員的な契約のようです。なので、各メンバーが個人事業主であり、企業に属するには事務所と契約する必要があります。
*STU48では、瀧野由美子さん、石田千穂さんが事務所契約しています
STU48メンバーについて詳しくはこちらから
【ここまでのわたしの感じたまとめ】
レーベルは不良在庫を減らすことが本来の目的であるが、返品となってもメンバーの販促費が下がり利益率は高くなる。
返品によりメンバーの収入は下がるが、運営側もCD販売は「ファンの囲い込み」の手段の一つにすぎず、収入源ではないので気にせず返品しても大丈夫ということ。
はい。STU側からすればイベントそのものが中止になったり、イベント内容によって出演料が変更になるのはあたりまえですからね。大規模な会場使用料を支払う必要の無いオンライン系のイベントなら尚更です。
— たーちん (@tarchin37) August 16, 2020
以上のビジネスモデルは、運営とCDレーベル会社が別で、運営とメンバーが本契約していない場合です。
これが坂道系やNMBになると状況は違ってきます。
坂道系グループの握手会ビジネスモデルについて
先ほども少し述べましたが、坂道系は運営とレコード会社をソニーミュージックが行っています。
そんな坂道合同会社の株の50%を所有するノース・リバーがKeyHolderの子会社になり、ソニーミュージックはアイドルビジネスから撤退するのではないか?と噂されています。
なぜ、運営とレコード会社が一体型だと厳しいのか?
一体型はグループが調子の良いときは、利益を総取りできますが、今回の新型コロナウイルスの影響などでイベントが開催できなくなると会社固定費や人件費などが膨大になります。
毎月の支払いが大変そうですよね。
それに加えて坂道系のCDのクオリティは高く、ソニーミュージックとしての誇りを感じる作品内容です。
わかりやすくいうと「作品に多くの原価がかかっており、今までもCD売り上げのみでの利益は少なかったのでは?」と推察できます。
イベントやライブ、グッズ売り上げなどで利益を出していたのでしょうが、新型コロナウイルスの影響で経営が苦しくなったのかもしれません。
もともと握手権封入のシステムはAKB48のCDをリリースするキングレコードがシステム化したものです。ですからキングレコードが主催する大握手会には姉妹グループも含めた全メンバーが参加します。運営にレコード会社が加わる坂道や自前のレコード会社を持つNMBは苦しいでしょうね。
— たーちん (@tarchin37) August 16, 2020
NMB48の握手会ビジネスモデルについて
NMB48はAKBグループで唯一、運営とレコード会社を持っているグループです。
自社レーベルがありながら、AKBグループのCDにも参加できるのが利点であるように感じます。
オフェンスとデフェンスを兼ね揃えた良いグループではないでしょうか。
そんなNMB48でも過去にCD販売していなかった時期があります。
実際、自前のレコード会社(よしもとミュージック)を持ち、延べ45万人と握手した握手会女王山本彩を擁するNMB48ですが2016年12月28日「僕以外の誰か」から翌2017年12月27日「ワロタピーポー」まで約1年新曲のリリースはありませんでした。
— たーちん (@tarchin37) August 16, 2020
AKBグループの握手会に参加していれば、NMBメンバーの握手券売り上げは大体わかるのでしょう。
1年間CD販売されなかった時期は、NMBグループでスキャンダルが相次いで報道されていました。
そのような向かい風の時期に、無理矢理CD販売する必要がなかったということではないでしょうか。
その1年間、NMB48は配信事業にチカラを入れていたような記憶があります。
新型コロナ禍では、配信事業が大活躍しました。
コロナウイルス後の握手会はどうなる?
今回はAKB・坂道系グループの握手会ビジネスについて考えてみました。
今回わかったことは
- 握手会や各種イベントが中止、差し替えになってCDを返品しても、運営とレコード会社が別のグループは大したダメージはない
- メンバーの握手会や各種イベントの目的は「ファンの囲い込み」であり収入のためではない
- 握手会ビジネスでは、CD売り上げ枚数よりも不良在庫を減らすことが大事
以上のことから、新型コロナウイルスのワクチンができたあとを考えると
- 個別握手会は、個別オンライン○○へ
- 全国握手会(メンバーをあらかじめ指名しない握手会)のみになる?
- CDはなくなりダウンロードコンテンツへ
以上のことが考えられます。
個別握手会は個別オンライン○○へ
新型コロナウイルスの影響により、返品対応や差し替え特典が用意されているのは「個別握手会」に申し込んだのに対してです。
コロナウイルスのワクチンができたとしても、完全なる治療薬(抗生物質)ではなく、あくまで予防段階。
いつまた、個別握手会が中止・延期になるかわかりません。
個別握手会に対する、返品・差し替え対応はかなり面倒くさそうです。コロナウイルス後も、リスクと手間を嫌って個別握手会はなくなるかもしれません。
オンライン○○の○○の中身が、毎回発売されるシングルごとに変わるのも面白そうです。
今の定番は「オンラインお話会」ですが、「オンラインお食事会」「オンライン飲み会」など、メンバーがファンと楽しみたい内容にすることも可能でしょう。
*オンラインお食事会・飲み会は「メンバー対複数ファン」のイメージです
握手会は全国握手会のみになる?
全国握手会では、握手するメンバーを最初から指名することができません。
当日、メンバーが体調不良やお仕事で参加しない可能性もあります。
主催者側の都合で中止にすることも可能で、いつまたコロナウイルスが流行するかわからない状況に適しています。
CDからダウンロードコンテンツへ
先ほど「レコード会社は不良在庫を抱えたくない」というお話がありました。
楽曲をダウンロードするかたちにすれば、在庫を抱える必要などありません。
ダウンロードのかたちに移行できない理由として「個別握手会」の申し込みスタイルがあるように感じます。個別握手会は日程や時間割、完売や抽選など非常に複雑です。
例えば「3曲が10,000円のダウンロードで、10枚の個別握手券付き」と販売しても、割り振る側が対応できません。これが、全国握手会なら可能ではないでしょうか?
他にも「10枚分でオンラインお食事会」「20枚分でオンライン飲み会」ではどうでしょうか?20,000円の飲み会はディナーショークラスになってしまいますが楽しそうでもあります。
そんな販売方法が日本の法律で可能なのか?はわかりませんが…
STU48の5thシングルで面白い商品がありました。
メンバーの特大パネル付きCD(価格9,000円)
わたしは中村舞さんに応募し当選しました(やったね)またTwitterでツイートしたいと思います。
さて、この商品。CD代金よりパネル代金のほうが高くなっています。それならば、パネルの代わりに「○○回分の握手券」「オンライン○○の権利」でもいいように思います。
いずれにしても、CDの時代は終わったと感じます。
レコード会社もあらたな道を提示してほしいところです。
*個人的には、CDジャケットや歌詞カードなども作品の一部と思っています。完全になくすのではなく、芸術作品として価値ある1枚になればと思います。