2020年、アイドル業界に変革の時を感じる。新型コロナウイルスの影響で、その変革が一気に早まりそうである。
変革とは、既存のAKBグループスタイルや乃木坂を含めた坂道系のスタイル、およびCDにおまけの握手券スタイルなど、すべてが変わりそうなのである。
今回は、今までの各グループの運営・経営方針などとこれからについて考えてみたい。
*あくまで個人の見解です
目次
AKB48グループの現状について
AKB48グループについては、国内のAKB48・NMB48・SKE48・HKT48・NGT48・STU48の6グループとする。
海外にもAKBグループは進出しているが「出来上がった利益構造を海外で展開している」ので、ここではふれない。これから考えていくのは、国内でアイドルグループが飽和状態になったその先の未来である。
その前にAKBグループの基本のビジネスモデルを知っておこう。
AKB48について
メンバーに必ず卒業がやってくるAKBのビジネスモデルは”レジェンド”になると思います。募集、斡旋、紹介に特化したAKB最大の収入源は肖像権、パブリシティ権等の”知的財産権”です。ソロ活動のサポート、マネジメントなどしなくとも指原莉乃、山本彩を輩出しました。云わばAKSは高校野球の超名門校。 https://t.co/SLxr01Jf1M
— たーちん (@tarchin37) April 30, 2020
AKBグループはメンバーがグループに所属しているのだが、運営側が雇用しているわけではない。有名になったメンバーは個人的に事務所契約している。
メンバーには必ず「卒業」がやってきて、その先も事務所契約できなければ個人で活動するか引退するしかないのである。
「卒業」が必ずやってきて、将来面倒を見る必要もないメンバーの育成を運営がするだろうか?
「AKBグループの育成が弱い」と私は長年思っていた。しかし違った…最初から「育成する気がない」のである。
これからAKB48のスタイルも変わるかもしれないが、グループに加入を考えているかたは知っておくべきことだろう。
卒業後も事務所契約を約束しており、メンバー育成やマネージメントに力をいれているグループも存在する。
*坂道系は卒業後も事務所契約
NMB48について
やはりAKSの実権は京楽産業が握っている?例えば、NMB48。表向きの事業母体は京楽産業の子会社で出資比率80%の京楽産業と20%の吉本興業との合弁会社KYORAKU吉本.ホールディングスだが、NMBのメンバーは吉本興業100%子会社Showtitleに所属し、経営の実権はNMBの商標権を所有している吉本興業だ。
— たーちん (@tarchin37) February 19, 2020
NMB48は坂道系と同じく、卒業後も事務所契約し面倒をみてくれるAKBグループ唯一のスタイルだ。
NMB48はAKBグループのなかで最も勢いを感じる。吉田朱里さんがYouTube「女子力動画」でブレイクしたこともあり、ファン層の狙いが女性になって新たな道を開拓している印象を受ける。
山本彩さんも卒業され「アイドル(AKBグループ)からミュージシャン」という今まで誰も成しえていない道を開拓している。
新型コロナウイルスの影響で握手会が開催できない日々が続いてるが、まっさきに「オンラインお話会」を始めたのもNMB48である。
NMB48の最近の動きはとても挑戦的で好感がもてる。AKBグループのなかで勢いがあるのも理解できるだろう。
やはりグループ卒業後も事務所契約して面倒をみるスタイルのほうが、運営側も真剣にメンバーと向き合っている感じがする。
NMB48は以前と比べ、極端にCDリリースが減ったことにお気づきだろうか?CD販売におまけの握手券スタイルは、リスクのわりに利益が少ないのでは?と予想される。CDに握手券スタイルもいづれ無くなりそうである。
HKT48・NGT48について
2020年5月27日に、HKT48を運営するMercuryと、NMB48を運営するFloraの両社を支援、統括する持株会社「Sproot(スプルート)」の設立が発表された。
同社は、HKT48・NGT48の各グループの発展を目指し、LINE株式会社エンターテインメントカンパニー、株式会社セプテーニ、株式会社ピアラと第三者割当増資契約を締結した。
3社ともIT関連を得意としており、新しいAKBグループの戦略マネージメントに期待してしまう。
詳しくはこちらもご覧ください
*卒業後の事務所契約については触れられておらず不明
STU48について
AKBグループの国内末妹グループSTU48
移動型「船上劇場」が話題で、わたしが最も力を入れて応援してるアイドルグループである。当ブログでSTU48関連の記事が多いのでよければご覧ください。
STU48の運営は「株式会社STU」で、設立当初から旧AKSより独立
AKSが運営にかかわっていない「AKB唯一のグループ」である。
STU48もメンバー卒業後は、各個人が事務所契約しており株式会社STUが雇用していない。
2019年、船上劇場が出航し人気も右肩上がり。「二期研究生をファンが選ぶ」という画期的な試みも成功し、個性的で魅力的なメンバーが多く加入した。年明けから二期研究生も精力的に活動し、早くも人気上昇中であったが新型コロナウイルスの影響で多くのイベント・握手会などが延期となった。
STU48は、船上劇場の完成も遅れ、自然の猛威に悩まされたり今回は新型ウイルスなど、何かと上手く運ばないグループだ。そんな不運なグループだからこそメンバーを応援してあげたいと思う。
STU48は瀬戸内地方に特化した活動をしており、加入を考えるなら坂道系などの東京で活躍してるグループのイメージは持たないほうがいいと思う。
各グループのマネジメントの仕方が違うので、坂道系のイメージで加入してしまうとギャップに堪えれないだろう。
STU48は瀬戸内地方の希望になりつつある
わたしは「STU48は乃木坂46のようなグループになる!」と応援を始めたわけだが、根本的に間違えていたと最近気づいた。
STU48は乃木坂46になる必要がない
地方特化型アイドルと拠点を持たない全国的アイドルは、マネジメントがそもそも違うからだ。
わたしのようなファンは「目指せ乃木坂46、AKB48!」と思いがちなのではないだろうか。STU48は瀬戸内地方で活動し活躍することで、すでに目的は達成されており「存在するだけで尊い」のではないだろうか。
地方特化型アイドルは、地方の有名神社仏閣の存在に近い。本当の「アイドル」とはSTU48のような存在ではないかと考えはじめている。
この地方特化型アイドル像をしっかりと理解せずメンバーとして加入してしまうと、思い描いていたアイドル像とのギャップで辛い日々を過ごすのではないかと思う。STU48の卒業者が多い理由ではなかろうか。
詳しくはこちらもご覧ください
ファンとしてもメンバーと共に、瀬戸内地方を盛り上げることを目標としたいところである。
AKB選抜総選挙中止からみるマーケティングの変化
AKB48グループの目玉企画「選抜総選挙」が2年続けて中止となった。
2019年は「NGT48騒動」が終息せず、選抜総選挙ができる世論の状況ではなかった。
2020年は「新型コロナウイルスの影響」もあるのだろうが開催されなかった。開催されないどころか「2020年の選抜総選挙は中止します」というアナウンスさえなかった。
個人的には「もうAKB選抜総選挙は開催されないだろう」と思う。昨今の選抜総選挙はCDの投票より効率的ということで「モバイル票」が増加していた。
モバイル票とは、各グループのファンクラブなどに月額3~500円支払うと1票もらえるというもの。この「モバイル票の妙味」に運営側も気づいたのではなかろうか。モバイル票の原価はかなり安く、利益幅が大きいからだ。しかも、投票したひとの個人情報(居住都道府県・年齢・性別・趣向についても)も蓄積され、運営のマーケティングに非常に貢献したのではないだろうか。
AKB選抜総選挙はマーケティングの役割もあったのだが、モバイル票の登場によりマーケティングの場が変化してるのではないかと感じる。最近では「配信アプリshowroom」や各グループが運営するスマホゲームだ。
マーケティングの場はshowroomやスマホゲームへ
showroomやスマホゲームでは、応援してるメンバーに直接的に課金する。
showroomでは課金した金額やフォロワー数がわかる
スマホゲームでは「ご褒美」的な要素もあり、推しメンのファン同士が争う「熱中度合い」も知ることができる
アイドルが人気していくのに必要なのは「ファンの絶対数の多さ」と「ファンの熱中度」ではないだろうか。その両方を知れるのがAKB選抜総選挙であったのだが、showroomやスマホゲームなどのコンテンツで知ることができるようになり、総選挙の役割は終えたように思う。
*絶対数とは「誰かと比べて」多い少ないではなく、当該アイドルに何人位のファンがいるのか
AKB選抜総選挙の役割として「不人気メンバーの救済処置」もあった。これも現代には必要なくなっている。配信アプリshowroomは、自己プロデュースして全国・世界へ発信できる。Twitterやインスタグラムもあわせて使えば、一般人でもアイドルや人気を得れる時代だ。
AKB選抜総選挙はファンの努力の割には見返りが少なく、報われないことが多い印象がある。showroomやスマホゲームでの課金は応援してるメンバーを押し上げてる実感を強く感じるのではないだろうか。
*グループで行われる企画は、すべて運営側のマーケティングであると考えていいだろう
乃木坂46について
AKB48グループから、国民的アイドルの座を奪い国内1のグループとなった乃木坂46…
しかし、この世は諸行無常。こんな話がでている。
ソニーミュージックからAKBグループのNGT48が移籍。乃木坂46をともに運営するノースリバーの株式をKeyHolderが全株取得し乃木坂46合同会社は持分法適用会社に。
— たーちん (@tarchin37) June 6, 2020
ソニーミュージックはアイドルグループの運営から撤退するかも? https://t.co/VvpM4DnwpE
乃木坂46のCDは作品としてのクオリティーが高い。特典のミュージックビデオもブルーレイで映像内容も素晴らしい。
あくまで「握手会はおまけ」スタイルを貫いており、その点にも好感がもてた…
そんな音楽を中心にしているソニーミュージックが、アイドルグループ運営から撤退するかもしれない。
Vernalossom=京楽産業だとすれば、次なるターゲットは乃木坂46であろう。AKS元社長窪田康志氏から取得した乃木坂46合同会社をソニーミュージックレーベルズと運営するノースリバーの株式がどれだけの支配権を持つのかは不明であるが、利益配分が資本比率に囚われない合同会社。発言力は増すだろう。 https://t.co/Zs7Iu9ACj3
— たーちん (@tarchin37) May 11, 2020
乃木坂46が享楽産業に買収されるとパチンコやスロットにもなりそうで、かつての乃木坂46のイメージは無くなる可能性もある。
乃木坂46のこれからは少し心配でもある。
随時、各グループに動きがあれば追記します